自分の好みを自覚したければ、沢山見て、そして整理する

使おうとしていたフィルムカメラのフィルムホルダーがようやく復活。毎年寒くなって動かなくなって、暖かくなったら復活するのを毎年繰り返していたのですが、今年は暑さのピークを過ぎてからの復活となり、まずは一安心。でもまた冬が心配な「ひでっとる」です。よろしくお願いします。

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写真はたくさん観ます

昔から、良い写真を多く見ることは、良い写真を撮るためには必須な工程だと、勝手に決めていました。多分誰かに教わるでもなく、そう信じていたのです。

写真を勉強し始めた頃の90年代だと、写真を扱う雑誌や、作品を掲載した写真集が多く出版されており、大きな街にある書店や美術館の書店に行けば、海外の写真集を多く取りそろえた店もあって、その時代に流行した写真には常に触れることが出来ました。

日本の景気が落ち込み続けた時代、巷では出版物を目にする機会がどんどん減少しました。

書店が減り、出版物がどんどん廃刊になりました。とりわけ写真集の出版はどんどん縮小され、今となっては僕の住む辺りには本格的な写真集を置いてある書店は存在しません。

常に見ることに渇望していた僕が写真に触れるために利用したのが、ウェブサイトでした。

昔から海外の写真家のウェブサイトを見て回るのが好きで、頻繁にネットサーフィンをしていることを以前の記事で書きました。

初めの頃は、写真家のウェブサイトを探し回っていたのですが、ある一つのサービスに行きついてからは、そのサービス内で回遊することが非常に効率的なことに気づきました。

それがflickrです。

flickrは日本語が扱われていなくて、英語がメインですが、写真を見るにはあまり気になりません。日本人の撮る写真には触れる機会が少ないですが、主に外国の写真家の作品をたくさん鑑賞することが出来ます。

flickrの使い方は、気になる写真のジャンルなどで検索すると、該当する写真の一覧が表示されます。一覧から気になる写真を選択すると、作者のページにジャンプし、その作者の作品の一覧を見ることが出来ます。

作者のページには、その作者自身が気に入って収集している、他の作者の写真を集めたページ「faves」があります。

これを、辿り続けると、どんどん自分自身の好みに近い写真に出会えます。そして世界中には多くの写真があることを実感できます。

残念ながら、現在flickrには新しい作品が集まらないようです。それは、flickr自身の事情が影響し、多くの作家が別のサービスに移行しているためだと思われます。

もちろん、今までの作品でも十分に刺激を受ける要素がありますので、閲覧した経験のない方は、是非おススメします。多くの作家の更新が減少したのは数年前なので、現状では、それほど作品に古さを感じることはないです。

僕自身の好みを項目別でまとめたら、自分の興味が客観視できました

整理することは大事です。

これまで闇雲に作家のページをブラウザのお気に入りに追加し続けていたものを、今回改めて整理しました。

すると、自分がどんな写真に反応していて、興味を持っているか。どんな表現を試みたいのかを客観的に眺めることができました。

項目別に分類すると、以下のようになります。

  1. ポートレイト
  2. モノクロームポートレイト
  3. ライティング
  4. 古典技法
  5. フィルムカメラによる写真
  6. コンセプト(広告媒体用、商用)
  7. 自己表現(アート的、非商業的)
  8. ストリートスナップ

これまでの作品には、ポートレイトが少ないのですが、明らかに、僕はポートレイトに興味があることが分かります。「人間が好き」な性格ではなくて、むしろ人付き合いは苦手なのですが、人間の写る写真に興味があります。

そして、人を印象的に撮ることに興味があるので、ライティングに精通した作家を選択する傾向があります。

古い手法を用いて製作された写真が好きなことも分かります。作業工程でできる必然的な汚れや手垢みたいなものに反応するようです。

商用のコンセプチュアルな広告写真には、圧倒的な技術力を駆使した鮮烈なイメージが多く、技術的な参考になる部分から、興味深く観察します。

非商業的な、自己表現をストイックに発表している写真家には、特に共感を持って、鑑賞しております。彼らの自己表現以外の目的で撮影された、商業的な写真にも、活動全般を眺めるという意味で非常に興味深いです。

最後に、このジャンルは僕自身も意外だったのですが、どうもストリートスナップ的な、あるシチュエーションに対して即興的に撮られた写真に興味があることが分かりました。これは、整理している段階で、気づいたことです。

これまで、僕はコンポジションを否定して写真を撮ってきたのですが、どうもメチャクチャ構図が気になっているのかも知れないと気づいたのです。ストリートスナップで、瞬時に判断して撮られた、画面全体に意識が行き届いた構成を見ると、ワクワクします。東松照明の瀬戸を撮影した人物達の配置なんかを見ると、参考にしたいなぁと思っています。

でも自分には出来ないゆえに、憧れがある感じです。

以上を俯瞰すると、一貫した興味がある、というよりは、それこそパッチワークのように、断片的な興味の連鎖が存在している様に感じます。

これら8項目のそれぞれのまとめを、以降の記事で書きます。

今後新たな刺激を求めるためには

世界の写真表現を志す者にとって、flickrは既に主戦場ではないようです。取って代わっていくプラットフォームの中、僕は、ピンタレスト(pintarest)を利用すると思います。

いずれは自分自身の作品も発表したいとは思うのですが、まずは多くの写真を見るツールとして利用しようと思います。

最後に、以前flickrで探し当てた良質な作家なのですが、現在flickr上での発表を削除し、別の発表の場に移動している人がいます。flickrでの発表作品をそのままピンタレストに移行している作家もいますが、名前で検索して作家のサイトを直接見るのも面白いと思いますので、名前だけ列記します。

Roman Jehanno

Regina Pagles

Hannes Caspar

今日も一日安全作業で頑張ろう!ご安全に。

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