2連のノコギリ屋根には、たくさんの情報を詰め込んでいます。

SNSを駆使して告知する事の難しさに悩むひでっとるです。よろしくお願いします。

【ノコギリノコドウ】の作品構成は、大きく分けて4パートありました。

  • 職人さん達の肖像写真
  • 2連のノコギリ屋根の工場の108枚
  • 多連のノコギリ屋根の工場
  • 2連のノコギリ屋根のフォーメーションの作品群

この内、今回は2連のノコギリ屋根のフォーメーションの作品群の詳細を紹介します。

目次

展覧会数日前に完成した顛末

個展の発表の準備には、想像以上の時間を要します。ノコギリノコドウに関しては、出展枚数が150枚以上と膨大だったこともあり、3カ月前には作品を選んで、プリントのサイズを決めて、製作に入らないといけませんでした。

会場が決定し、展示スペースに合わせてレイアウトを決めます。

何度も登場している、2連の屋根の工場の108枚も、1カ月前までどちらのレイアウトにするか悩みました。

108枚ですから、14ⅹ7もしくは18x6が可能でした。見栄えと、見やすさを考慮して、18ⅹ6に決めました。

今回の本題の作品のレイアウトは、ほんの数日前の、設営日直前に変更することを決めたのです。むしろ、数日前の朝に閃いたのですが。それまでのレイアウト図がこちらです。

撮影段階で撮り貯めていた写真で、イメージがペアになる作品が多かったので、それをまとめて展示しようと決めていました。それらをまとめることで、建物のヴァリエーションだったり、周囲の風景や、工場内の様子が分かる作品群でしたので、関連する二枚をランダムに、動きの方向性を持たせずに隣り合う2枚の組合せで展示するつもりでした。

何となく納得できていたし、数日前までは満足していたと思います。

でも、突然設営前日の朝にフッと閃いたのです。

2枚ずつイメージがあるから、全体を2連の工場に見立てたら楽しいんじゃない?

このアイデアが浮かんだ時、結構ゾクゾクしました。

左右2つのブロックに分けて、同じイメージを同じレイアウトに振り分けて、最後に全体が2連の工場に見えるように、右上角の一枚を左上の5段目に乗せて、フォルムを完成させました。

2連の工場の108枚、夫婦2名のポートレイト、2連の工場のフォーメーションで展示する全てが数字の2で統一されたことが気に入りました。

個々の作品紹介

このフォーメーションでは、対になるイメージが16組、合計32枚で構成されています。全体として眺められることが多かった作品ですので、個々の写真を順に紹介したいと思います。

まずは、外観から。市内の1連(1つのノコギリの刃型)の工場を横から撮影した写真。

次は、2連の工場ながら、フォルムが瓜二つの工場。

3連の工場。

4連の工場。1枚の写真で見せる限界な気がしていました。

一つの棟が美しい、真横からではない初期撮影写真。

外観の最後は、街に溶け込むノコギリ工場。

次は工場内部の様子。まずはションヘル織機の全体の様子。

側面のメカ部分。

縦糸、オペレーションサイドの裏面

内部から、ノコギリのカタチを眺める。建物の梁。

工場内の様子その1

工場内の様子その2

工場内の様子と職人さんの作業風景

ノコギリ屋根の工場内の職人さん

ションヘル織機のオペレーション中の職人さん

ションヘル織機の間は、職人さんのホームポジション

完成したイメージの解釈

これらの、脈絡のない視点で捉えた雑多なイメージ達を、二つの塊として規則的に並べてみる。これを2連の工場の一枚と見立てた場合、隣に並ぶ108枚の一枚一枚が内包するイメージを代弁するピースとなっています。

学生の頃、体験したホログラフの実験では、フィルムのネガのどの部分にも全体の画像イメージを保持することが出来る、非常に示唆に富む経験をしました。(巷にあふれる虹色のホログラムとは別世界です。)

この32枚のピースがあることで、108枚の2連の工場には、重層的な深みが存在していることに思い至ることができると、ホログラフ的な表現は成功となります。

今日も一日安全作業で頑張ろう!ご安全に。

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